オフィスタワー建築調査 / 東京スクエアガーデン その3
前回まで再開発や周辺のコンテクストなど、空間以外について考察してきましたが
今回は、内部空間やオフィス空間などを紹介していきます。
低層部には、「京橋の丘」という緑地が創出されています。
高さ30m、広さ約3000㎡もの緑を設置によって都心のクールダウンや「風の道」の形成に寄与されています。そして周辺のスカイラインまで緑空間があります。
ファサードは、かなりインパクトが緑というアイデンティティを印象づける外観になっています。最近、大阪のオフィスビルでもこのような緑を壁面とした建物ができたみたいです。
2枚目は、京橋の丘を3階の写真です。
低層階の商業エリアの外部に位置しているので、オフィスワーカーの利用者は見られませんでした。この空間は、心地よい場になりうる場所だと思うのですが
オフィス階にもこのような空間があれば、喫煙者や休憩所の利用も多く見られるのではないかと思います。
商業階でも、カフェなど何らかのプログラムを設置することによって格段に利用率があがるのではないかと思います。
下の断面図を見れば分かるのですが、オフィス階は
「京橋の丘」のような緑の場所は設置されていません。
次にオフィス基準階の空間について
オフィスの基準階の面積は、3400㎡(1000坪)あり東京駅周辺では最大級のフロア面積になっており、無柱空間になっているので多様なオフィスレイアウトが可能となります。
さらに、このビルは室内環境のCO2排出量を45%削減を目標とされているため、庇や換気システム、ブラインドなど環境負荷を低減される工夫がされているのも特徴です。
内部動線・空間
内部動線は、他の商業施設やオフィスタワーの低層部に比べると狭くとられています。(あくまでも商業メインではないからだと思う)
そして、あまり利用率が低いように思いました。
朝やお昼、夕方などの通勤時間以外だったので、このように閑散としていました。
京橋の直結口
B1階の京橋から直結している空間です。
地下からそのまま、ショップ・レストランのエリアに行けるようになっており
この中庭空間は、意外と賑わいが感じることができます。
さらに、大きな抜け・ガラスの天井によって広い空間を創出しています。
緑も地下から3階まで繋がるように配置してあります。
今回、東京スクエアガーデンについて考察してきましたが
ボクがこの建築を選んだ理由は、このようなオフィスタワーは近年、再開発として多く建てられています。ただ、以前の面影を消して建てられているビルばかりですが、この建築は既存の街路の面影を残し再開発している点。
さらに、特徴となっている「庇」です。
庇を、庇の機能だけでなく低層部分は、庇のスケ−ルを大きくして緑地の設置や外部空間など「庇」のデザインを上手く利用して全体をデザインしている点
(オフィスタワーの高層部と低層部は、切り離されてデザインされている場合が多く感じます。)
これらが今回私の気になった部分です。
以上をオフィスタワー建築調査の報告とします。