kms_2013's blog

[サマプロ©2013]の記録です。 8/12(月)~9/9(金) 上海万谷建築設計

宿題そのに リノベーション建築

福岡にリノベーションという言葉が登場したともいえる、冷泉荘を紹介したいと思います。

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見た目はいわゆるただの古いマンション。特に、この冷泉荘がある地区は古い建物が多く残っている地域なので目立ちもしません。

はじまりはTRAVELERS PROJECT(野田 恒雄)がてがけた期間限定の建物再生プロジェクトでした。築50年を超えたアパートを「ライフスタイルのデパート」にするというコンセプトではじまったものです。3年間の期間限定で、アート・デザイン・アパレル・フード・リラクゼーションなどの部屋が集まっています。

 

その後野田さんが手を引いた後、「福岡の古い建物を大切にする考え方の実践(ビルストック活用)」を基本理念に、「ひと」「まち」「文化」を大切に思う人たちが集まる建物「リノベーションミュージアム冷泉荘」として、また、株式会社スペースRデザイン(本社:福岡市中央区大名、代表取締役 吉原勝己)が管理・プロデュースする賃貸物件としてスタートしました。

 

古い建物が多く残る地域と紹介しましたが、冷泉荘のすぐ近くには冷泉公園(博多どんたくの集合場所や、追い山の時は博多祇園山笠が並ぶなど博多の祭りの中心地。)もあり、また、川端商店街という昔ながらの今も活気のある商店街と直接つながっていたりもします。博多の文化を今も感じられるところです。

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 今の部屋はこんな感じ。

イベントもたくさん行われていて、ライブやコンサート、公開講座や講演系、展示会系、体験や教室系など、いろんな文化・出来事が集まってきています。おもしろそうなイベントだなーと思ったら冷泉荘ってことがちょくちょくあります。 

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HPですが、”冷泉荘”のフォントだけがちょっと筆の太い力強い文字でこってりした和の感じをだしつつも、それ以外のデザインはちょっとかわいい感じになっています。そして両脇の背景部分はおそらくイベントの時の写真のコラージュになっていて、人の集まるにぎやかな感じがでています。

 ”冷泉荘”のフォントに少しこだわりというか、想いが見える気がします。

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あおぞら市やピクニックなどのイベントの時には特にたくさんの人がやってくるそうです。

 

 正直、リノベーション建築という課題に対して、これを持っていくのはどうかなあとも考えました。リノベーション建築というよりは、セルフリノベ的なリノベーションOKの賃貸みたいな感じだからです。そして、建築の力というよりは、文化だったり人だったり、そういう力で盛り上がっている場だからです。(もう一つ、冷泉荘のはじめを起こした野田さんの今進行中の場所”紺屋2023"も少しお世話になったことがあるので候補として考えたのですが、リノベーションに対する立場としては同じポジションです)

ただ一方で、最近多い歴史的建造物を皮だけのこして、結局後ろに高層を建てるっていうのもどうなのかなと思っています。

 

4年生の前期 イタリア・ベネチアを敷地に設計演習がありました。私たちの学年からの取り組みだったのですが、そこで専門の外部から来られた先生に”レスタウロ”という考え方を学びました。今年はその授業のTAをして、今年の敷地は同じくイタリアのフィレンツェだったのですが、いまだにその”レスタウロ”は私の中でうまく消化できていません。

ただ、日本でいうリノベーションが含む少しの安直さみたいなものが消え、都市や建築への尊敬というか自尊心みたいなものが違う気がしています。

 

歯切れの悪い最後であれなのですが、私のなかでもこれはまだまとまってない事案なのです。。。。

 

さあいよいよ明日出発!これからパッキングも大詰めです!!

自己紹介も考えないと!

 

参考

TRAVELERS PROJECT:http://www.travelers-project.info/

冷泉荘: http://www.reizensou.com/

スペースRデザイン: http://www.space-r.net/